鴨川の里山コース
日本の棚田百選にも選ばれている鴨川の大山千枚田。当体験では、あまり知られていない棚田周辺の小径を散策します。ここでは四季を通し多くの野草を見かけます。秋から冬にかけてはアキノタムラソウ、ノコンギク、ハゼ、サラシナショウマなど、そして春から夏はシモツケ、ウツギ、モミジイチゴなどの花や実の観察を楽しむことができます。また、里山の野鳥たちも多く見られ、一年を通して見られるものはノスリ、トビといったタカの仲間や、ウグイス、ホオジロ、モズ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、メジロ、ヒヨドリ、エナガなどの小鳥たち。春から夏はそれらにくわえ、クロツグミ、キビタキ、ホトトギス、ツバメ、オオヨシキリといった夏鳥たちが南国からやって来て、たいへん賑やかです。また夏は昆虫類も活発な季節。ニホンタマムシ、コアオハナムグリ、ウラギンシジミ、ベニシジミなどを森や田んぼの周りで見つけることができます。また、秋から冬にかけては北国から越冬の為に、数多くの冬鳥たちが当地に渡って来ます。ハゼの実を食べているのはツグミ。林床をガサガサと大きな音をたてているのは、シロハラかな?それともアカハラ?藪の中で「チッ、チッ、」としきりに鳴いているのはアオジです。綺麗なジョウビタキの雄も期待できるはず…。
大山千枚田から少し離れた山合いにあるのは、大山不動尊。遙か昔、奈良時代に良弁僧正が開山したと伝えられている不動尊です。不動堂正面の竜の彫刻は、江戸時代の名工、初代「波の伊八」の作とされています。本尊には鎌倉時代に作られた不動明王像もあり、悠久の歴史を感じずにはいられません。
不動尊の近くには、珍しいバクチノキ群生地もあります。バクチノキはバラ科の常緑樹で群生地としては、国内最北端。県指定天然記念物になっています。
鴨川の里山コースで見られる主な野鳥たち↓

キジ
大山千枚田ではキジの姿を見ることができます。雄は長い尾羽と美し羽色が際立ちます。春はキジの恋の季節。棚田の各所から彼らの大きなラブコールを聞くことができます。時には鳴きながら翼を羽ばたかせる華麗な姿が見られるかもしれません。

ノスリ
棚田の王者ノスリ。カラス程の大きさですが、ガッシリとした体つきでネズミやモグラ、時には他の鳥をも襲うタカの仲間です。周年見られますが、特に冬期がノスリ観察にお勧め。飛行姿や、電柱で獲物を狙う姿を見ることができます。運が良ければ、観察者の間近に現れることもあります。

クロツグミ
春から秋に見られる山の鳥。その軽快な囀りは棚田に本格的な春の訪れを告げます。全国的に見られますが、房総半島の生息地は他地域より標高が低く、またごく一部に限られます。大山地区はその数少ない生息域の一つです。

エナガ
山林に周年生息する小さな野鳥。「ジュリ、ジュリ…」と鳴きながら群れで森を移動します。その可愛さは一見の価値あり!小さな虫が主食です。北海道の「シマエナガ」とは近縁で、いわゆる親戚関係。ですからその可愛さはまさに折り紙付きです!

ヤマガラ
クリーム色のホッペに赤味のある栗色のお腹。山の小鳥の代表格とも言える小鳥です。房総の森に周年生息し、大山地域でも割合よく見られます。昆虫類の他、木の実も好物。両足で木の実を抑え、梢で突く姿は見ていて本当に飽きません。

